田辺専務理事が日経新聞「私見卓見」に寄稿 

日本企業、EUを忘れるな

 日欧産業協力センター

 田辺靖雄

 

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受け、内向き志向が広がっているようだ。コロナ危機がある程度収まり海外との経済関係が活気を帯びても、日本人の地域別の関心をみれば、中国をはじめとするアジアや米国が先に立つかもしれない。だが、ビジネスパートナーとして、欧州連合(EU)にあらためて目を向けたらどうだろうか。

 米国は、11月の選挙でトランプ大統領が再選されるかどうかはわからないが、保護主義的な傾向を強めている。米国と貿易戦争を続ける中国についても、コロナ危機を経て、日本では経済上の依存関係を脱しようという動きがある。

 財務省の貿易統計によると、日本の貿易に占めるEUの比率は2019年、12%だった。EU加盟国は増えているのに、10年の10・5%と比べ伸び悩んでいる。だが米中に多くを期待できないとすれば、日本と基本的な価値観を共有し、歴史的なつながりの深いEUが浮上するだろう。

 日欧の枠組みでいえば18年、日欧経済連携協定(EPA)と戦略的パートナーシップ協定、(SPA)が結ばれた。19年にはインド太平洋地域でのデジタル・インフラ投資で協力することなども決めた。

 EUの欧州委員会は7月、脱炭素化のための「水素戦略」を公表した。水素は次世代エネルギー源のひとつとして注目を集め、日本も研究を進めており、協力関係を深める可能性がありそうだ。ただ環境問題を巡っては、EUの規制のハードルが日本より高い傾向もみられ、万事スムーズというわけにはいかないだろう。EUも足元で、EUを離脱した英国と、将来関係についての協議が膠着したことを忘れてはならない。

 私の属する財団法人では、欧州委員会のカウンターパートナーとして、EUと日本の企業のマッチングをしている。例えばアフリカは日本企業のこれからの進出先として有望視されているが、EUが旧宗主国の国々が多いだけに、一緒に組む効果は大きいはずだ。米中が対立し世界が安定しているとは言いがたい状況下、頼れるパートナーが存在するとわかっているだけでも、ビジネスの進め方が変わってくるだろう。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61990910Y0A720C2SHE000/

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