欧州で、次の成長をどう描くか。
単一市場のスケール、予見可能性の高い制度環境、そしてグリーン・デジタル分野を軸とした産業政策。こうした条件を背景に、日本企業は欧州各地で投資・事業展開を通じた成長モデルを着実に構築しています。本ページでは、製造、エネルギー、インフラ、先端技術などの分野における、日本企業のEU域内での具体的な投資事例をご紹介します。

【主要投資分野(クリックで該当箇所へ)】
製造・産業ロボティクス(Industrial Robotics)
クリーンモビリティ・EV(Clean Mobility, EV)
半導体・先端材料(Semiconductor and Advanced Materials)
デジタル・AI・クラウド(Digital, AI & Cloud)
アグリフード・バイオ(Agri-food & Bioeconomy)
ベンチャー投資・イノベーション(Venture Capital & Innovation Ecosystem)
更新情報
・2026年4月20日:スロベニア(安川電機)、ルーマニア(IHIインフラシステム)、ポルトガル(三井物産)における投資事例を追加しました。
・2026年4月23日:フィンランド(東京ガス)、エストニア(丸紅、NordicNinja)、イタリア(NTTデータ)、ポルトガル(カゴメ)における投資事例を追加しました。
・2026年4月24日:スウェーデン(日立)、オランダ(三菱マテリアル)、ポーランド(ダイキン)における投資事例を追加しました。
・2026年4月25日:オーストリア(三菱重工グループ/Primetals Technologies)、イタリア(三菱重工業)、フランス・EU域内(Toyota Motor Europe)、ベルギー(JERA)、デンマーク・スペイン(大阪ガス)、オランダ(三菱商事)、スペイン・ポルトガル・アイルランド(双日)、ドイツ(JX金属)、チェコ(トヨタ自動車)、ベルギー(富士フイルム)における投資事例を追加しました。
・2026年5月13日:ドイツ(中部電力)における次世代地熱・EUイノベーション基金活用プロジェクトの投資事例を追加しました。
製造・産業ロボティクス(Industrial Robotics)

スロヴェニア|安川電機(産業用ロボット工場)
・投資先国:スロベニア
・分野:産業用ロボティクス(開発・製造)
・概要:同社は2018年、欧州初となるロボット工場をスロベニアに設立。現在、同拠点の拡張プロジェクトを進めており、2025年までの完成を予定しています。
投資の内容(拡張フェーズ)
・投資額:約3,200万ユーロ
・新設施設: 欧州向けロボットの配送センター ・高度なエンジニアリング・製造施設(ロボットシステム)
ビジネス上のポイント
・欧州・中東・アフリカ市場における事業展開の強化
・従来のドイツ・スウェーデン経由の物流から、スロベニア拠点からの直接供給へ転換
・日本からの輸入製品と現地製造製品の統合的な供給体制を構築
・既存の製造・エンジニアリング機能の拡張
雇用・地域経済への貢献
現在:約270名を雇用
投資完了後:約300名規模へ拡大見込み
関連リンク:
・https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2016/10/07.pdf
・https://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/news/71447
・https://sloveniatimes.com/40453/yaskawa-breaks-ground-on-32-million-expansion-in-kocevje
・https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2024/10/109c.pdf
インフラ(Infrastructure)

ルーマニア|IHIインフラシステム(ブライラ橋建設プロジェクト)
・投資先国:ルーマニア
・分野:大規模インフラ建設
・概要:IHIインフラシステムは、ルーマニア東部においてブライラ橋の建設プロジェクトに参画しました。同橋は2023年に開通し、EU域内でも有数の規模を誇る吊り橋の一つです。
プロジェクトの特徴
・ルーマニア最長級の吊り橋
・ドナウ川を跨ぐ戦略的インフラ
・地域間の接続性向上および物流効率化に寄与
ビジネス上のポイント
・欧州における大型インフラ案件への日本企業の参画事例
・高度な土木・構造技術を活用したプロジェクト遂行
・EUの公共インフラ整備における国際連携の一例
関連リンク:
・https://www.ihi.co.jp/all_news/2023/infrastructure/1199822_3540.html
エネルギー転換(Energy Transition)

ポルトガル|三井物産(SAF・グリーン水素プロジェクト)
・投資先国:ポルトガル
・分野:先進バイオ燃料、SAF(持続可能な航空燃料)、グリーン水素
・概要:三井物産は、ポルトガルのエネルギー企業Galpと共同で、シネス製油所において約4億ユーロ規模の合弁事業を展開しています。本プロジェクトは、先進バイオ燃料の生産と大規模なグリーン水素開発を組み合わせたもので、2026年の稼働開始が予定されています。
プロジェクトの特徴
・投資規模:約4億ユーロ
・出資比率:Galp 75%、三井物産 25%
・廃食油や残渣系植物油を原料とした燃料生産
・初期段階では再生可能ディーゼル(HVO)を生産し、将来的に持続可能航空燃料(SAF)生産へ拡張
ビジネス上のポイント
・欧州におけるエネルギー転換分野への大規模投資
・SAFの商業規模生産に向けた日本企業の先行事例
・現地企業とのパートナーシップを通じた事業展開
・バイオ燃料と水素を組み合わせた統合型プロジェクト
EU政策との高い整合性
・航空分野の脱炭素化を推進する持続可能な航空燃料(SAF)の生産拡大と普及に関する規則(RefuelEU Aviation)に対応し、SAF供給拡大を通じて航空分野の脱炭素化に貢献
・グリーン水素・先進バイオ燃料分野への投資により、EUのエネルギー転換政策と整合
・ポルトガルにおける先進燃料・水素産業の拠点形成を通じ、産業基盤の強化に寄与
・技術・人材・循環型サプライチェーンの構築を含む中長期的な価値創出に貢献
関連リンク:
・https://www.mitsui.com/jp/en/release/2023/1247489_13943.html
・https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/03/544bbec5d6253c63.html
・https://www.mitsui.com/solution/contents/solutions/lowc-fuel/486
・https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC20A1T0Q3A920C2000000
フィンランド|東京ガス(再生可能エネルギー/陸上風力)
・投資先国:フィンランド(北オストロボスニア地方・ラーヘ)
・分野:再生可能エネルギー(陸上風力)
・概要:東京ガスは、デンマークのエネルギー企業EWIIとの合弁会社TOWII Renewablesを通じ、フィンランドの陸上風力プロジェクト(Kopsa IIIおよびKetunperä)を取得。総設備容量74.4MW(12基)を有する風力発電所を建設中であり、2027年前半の商業運転開始を予定しています。本件は、デンマークを拠点とした事業から北欧域内への本格展開を示す案件です。
投資の内容
・主な取り組み:
陸上風力発電プロジェクトの取得および開発(総容量74.4MW)
風力タービン(Vestas製)の設置および建設推進
2027年前半の運転開始に向けた開発・建設
ビジネス上のポイント
・デンマークを起点とした北欧域内へのクロスボーダー展開
・再生可能エネルギー分野におけるEU単一市場の活用
・Vind AI等のデジタル技術を活用した風力発電プロジェクトの最適化
・エネルギー転換および電力需要の変化に対応した事業ポートフォリオの拡張
投資の背景・戦略的意義
・フィンランドの再生可能エネルギー拡大(2030年目標)への貢献
・地政学リスクを背景としたエネルギー安全保障および自立性の強化
・再エネ開発とデジタル技術を組み合わせた新たな事業モデルの構築
雇用・地域経済への貢献
・風力発電資産に伴う固定資産税収(年間100万ユーロ超)の創出
・長期保守契約(Vestasとの25年契約)による持続的な雇用および技術蓄積
・再エネインフラ整備を通じた地域産業基盤の強化
関連リンク:
・https://www.tokyo-gas.co.jp/en/IR/support/pdf/20250630-02e.pdf
・https://towii.com/blog/towii-renewables-ready-to-build-wind-farms-in-finland/
・https://www.world-energy.org/article/52799.html
・https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC3058C0Q5A630C2000000/
・https://www.tokyo-gas.co.jp/business/overseas/index.html
エストニア|丸紅(次世代エネルギー貯蔵)
・投資先国:エストニア
・分野:先進エネルギー貯蔵、脱炭素
・概要:丸紅は、エストニアの次世代蓄電デバイスメーカーSkeleton Technologiesに対し、2021年および2023年に出資を実施。研究開発から欧州規模での製造拡大に至る成長段階を支援しています。
投資の内容
・主な取り組み:
Skeleton Technologiesへの資本参画(2021年、2023年)
研究開発および量産体制の構築支援(ドイツ新工場等)
アジア市場における販売支援・用途開発・経営面での関与
ビジネス上のポイント
・電化・脱炭素の進展を背景とした蓄電分野への戦略的参入
・スーパーキャパシタ技術(高出力・高速充放電・長寿命)による差別化
・欧州域内での一貫生産体制を通じた競争力確保および地政学リスク低減
・丸紅のグローバルネットワークを活用したアジア市場展開とバリューチェーンの拡張
投資の背景・戦略的意義
・次世代事業開発の一環として、成長領域(次世代産業基盤・DX等)への投資を推進
・欧州における技術開発力および公的支援制度を活用した先端分野への参入
・現地拠点(タリン)を活用したネットワークを通じた案件発掘
雇用・地域経済への貢献
・エンジニア等の高度人材を中心とした雇用創出および研究開発拠点の強化
・欧州域内での製造拡大を通じた産業基盤の強化および技術力の向上
関連リンク:
・https://www.marubeni.com/jp/news/2021/release/00021.htm
・https://www.marubeni.com/jp/news/2023/release/00069.html
・https://www.sankei.com/article/20190502-Y6KV6NYIBRPBVPSIQT2UKTCB2Q/2/
スウェーデン|日立(エネルギーインフラ/電力網技術)
・投資先国:スウェーデン
・分野:エネルギーインフラ、電力網技術(HVDC、グリッド自動化)
・概要:
日立は2020年にABBのパワーグリッド事業を買収し、スウェーデンを本拠とするHitachi Energyを設立。再生可能エネルギー統合や送電インフラを担う中核事業として展開しています。2024年には約3億ユーロの追加投資を発表し、生産および研究開発機能の拡張を進めています。
投資の内容(近年の拡張)
・主な取り組み:
スウェーデンにおける生産・研究開発拠点の拡張(約3億ユーロ)
工場増設および新キャンパス開発(Ludvika、Västerås)
2027年までに約2,000人の新規雇用創出
ビジネス上のポイント
・HVDC(高電圧直流送電)技術を核とした電力インフラの高度化
・再生可能エネルギー(洋上風力等)の統合および電力需給の最適化
・欧州域内のクロスボーダー電力接続を支える基盤技術の提供
・電化・データセンター需要の拡大に対応した電力網ソリューションの強化
投資の背景・戦略的意義
・EUのエネルギー安全保障および脱炭素政策(グリーンディール)との高い整合性
・電力インフラ分野における需要拡大を背景とした戦略的投資
・スウェーデンを拠点とした欧州全体への技術・製造基盤の展開
雇用・地域経済への貢献
・約2,000人規模の新規雇用創出および高度人材の集積
・電力インフラ分野における研究開発・製造拠点の強化
・欧州全体の電力統合・単一市場形成への貢献
関連リンク:
・Connecting the dots: the carbon-neutral energy system will be highly interconnected | Hitachi Energy
・Hitachi Energy receives record order from Svenska kraftnät to strengthen the Swedish power grid
オランダ|三菱マテリアル(重要原材料・資源循環)
・投資先国:オランダ
・分野:重要原材料(Critical Raw Materials)、リサイクル、資源循環
・概要:三菱マテリアルは2024年、欧州統括拠点としてMitsubishi Materials Europe B.V.をアムステルダムに設立。Eスクラップ、タングステン、リチウムイオン電池等の資源循環事業を欧州域内で展開しています。既存のリサイクル拠点(モールダイク)やドイツのタングステン事業を含むネットワークを統合し、欧州における循環型ビジネスの基盤を強化しています。
主な取り組み:
欧州統括会社(EHQ)の設立(2024年)
Eスクラップリサイクル拠点(オランダ)の運営・拡張
タングステン加工事業の取得(ドイツ)
二次原料製錬所の新設検討(2030年代に向けた能力拡張)
ビジネス上のポイント
・Eスクラップの回収から製錬・再資源化までを担う統合型バリューチェーンの構築
・銅製錬技術を活用した高効率リサイクルによる資源価値の最大化
・オランダの物流インフラおよび回収制度を活用した域内資源の集約
・タングステンや電子廃棄物を含む重要原材料の安定供給体制の構築
投資の背景・戦略的意義
・EUの循環経済政策(CEAP)および重要原材料政策(CRMA)との高い整合性
・WEEE指令に基づく回収制度の成熟を背景とした安定的な原料確保
・資源調達リスクの低減とサプライチェーンの強靭化
・欧州域内での処理能力拡大を通じた戦略的自律性への貢献
雇用・地域経済への貢献
・冶金・リサイクル分野における高度人材の雇用創出および技術蓄積
・欧州域内における資源循環インフラの強化
・リサイクル技術を通じた地域産業の高度化および持続可能性向上
関連リンク:
・https://www.mmc.co.jp/corporate/en/news/2024/news20240731c.html
・https://group.mmc.co.jp/mmeu/en/pdf/news/news251203.pdf
・https://www.mmc.co.jp/corporate/en/news/2024/news20240514b.html
・https://withmaterials.mmc.co.jp/en/232
・https://ir.mmc.co.jp/en/ir/news/news902355395237503411/main/0/link/E_0912.pdf
ベルギー|JERA(Parkwind買収・洋上風力発電)
・投資先国:ベルギー、ドイツ等
・分野:再生可能エネルギー、洋上風力発電、低炭素燃料(水素・アンモニア等)
・概要:JERAは2023年、ベルギーを拠点とする洋上風力発電事業者Parkwindを約15.5億ユーロで買収しました。これにより、欧州における洋上風力発電の運営・開発基盤を獲得し、再生可能エネルギー事業の拡大を進めています。
投資の内容
・ベルギーのParkwindを買収し、欧州における洋上風力発電の事業基盤を取得
・Parkwindが有する10年以上の開発・建設・運営ノウハウを活用
・ベルギーで4件の洋上風力発電事業を運営
・ドイツでは洋上風力発電プロジェクトを建設中
・欧州全域で開発パイプラインを保有
ビジネス上のポイント
・欧州における洋上風力発電事業への本格参入
・稼働中資産と開発パイプラインを組み合わせた成長基盤の確保
・2035年までに最大20GWの再生可能エネルギー容量を目指す戦略の一環
・将来的なグリーン水素・アンモニアなど低炭素燃料との連携可能性
EU政策との高い整合性
・REPowerEU、Renewable Energy Directive、EU Green Dealの方向性と整合
・洋上風力の導入拡大を通じて、EUの再生可能エネルギー拡大に貢献
・ロシア産化石燃料への依存低減とエネルギー安全保障の強化に寄与
・再生可能電力と水素・アンモニア等の低炭素燃料を組み合わせた、EUのエネルギー転換モデルと親和性が高い
関連リンク:
・https://www.jera.co.jp/news/information/20230322_1109
・https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2278S0S3A320C2000000/
デンマーク・スペイン|大阪ガス(再エネ・水素・LNGインフラ)
・投資先国:デンマーク、スペイン
・分野:再生可能エネルギー、水素、LNGインフラ
・概要:大阪ガスは、英国拠点のOsaka Gas UK(OGUK)を通じて、欧州におけるエネルギー転換関連事業を展開しています。デンマークではEverfuelへの出資を通じて水素バリューチェーンに参画し、スペインではSagunto LNGターミナルへの出資により、欧州のエネルギーインフラ分野にも関与しています。
投資の内容
・デンマークのEverfuelへの出資を通じ、水素の製造・供給・モビリティ分野に参画
・Everfuelは欧州で大規模な電解設備を運営し、2025年2月にグリーン水素の生産開始を発表
・同設備の年間生産能力は約3,000トン
・スペインのSagunto LNGターミナルに出資し、LNG受入インフラ事業に参画
・BayWa r.e.との協業を通じ、再生可能エネルギー分野での知見・事業連携を拡大
ビジネス上のポイント
・水素、再生可能エネルギー、LNGを組み合わせたエネルギーポートフォリオを形成
・LNGによるエネルギー安全保障と、水素・再エネによる脱炭素化を両立
・欧州の水素バリューチェーンへの早期参画
・化石燃料中心の事業から、低炭素・再エネ事業へ移行するポートフォリオ転換モデル
EU政策との高い整合性
・Renewable Energy Directive、EU Hydrogen Strategy、European Green Dealの方向性と整合
・グリーン水素の製造・供給を通じ、EUの水素市場形成に貢献
・LNGインフラへの関与は、欧州のエネルギー供給多様化と安定供給の観点で意義
・再エネ・水素・LNGを組み合わせ、EUのエネルギー安全保障と脱炭素化の双方に対応する事例。
関連リンク:
・https://www.eu-japan.eu/publications/solar-energy-baywa-re-x-dd-solar
・https://www.baywa-re.com/en/case-studies/taking-confident-steps-forward-in-japan-solar-market
・https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC288U00Y5A220C2000000/
・https://www.nikkei.com/article/DGXNASDD110BK_R10C10A5000000/
・https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2023/1769953_54087.html
オランダ|三菱商事(Eneco買収・洋上風力・グリーン水素)
・投資先国:オランダ、ベルギー、ドイツ等
・分野:エネルギー、統合型ユーティリティ、洋上風力、グリーン水素
・概要:三菱商事は2020年、オランダの総合エネルギー企業Enecoを買収しました。Enecoは、オランダ、ベルギー、ドイツを中心に、発電、小売供給、地域熱供給などを展開しており、三菱商事にとって欧州における脱炭素関連投資の中核的な事業基盤となっています。
投資の内容
・2020年にオランダの総合エネルギー企業Enecoを買収
・Enecoを通じ、欧州における発電、小売供給、地域熱供給事業を展開
・オランダ・ロッテルダム港で大規模グリーン水素製造プロジェクトを開発
・Hollandse Kust Noord洋上風力プロジェクトをShellと共同で開発
・同洋上風力発電所は2023年12月に商業運転を開始
ビジネス上のポイント
・欧州の統合型エネルギー事業者を通じた本格的な市場参入
・発電、小売、熱供給を組み合わせたエネルギープラットフォームの構築
・洋上風力とグリーン水素を組み合わせた脱炭素事業の展開
・投資家としての関与にとどまらず、欧州エネルギー転換の事業運営主体としてプレゼンスを拡大
EU政策との高い整合性
・REPowerEU、EU Offshore Renewable Energy Strategy、European Green Dealの方向性と整合
・洋上風力の導入拡大を通じ、EUの再生可能エネルギー目標に貢献
・グリーン水素製造を通じ、再エネ電力の活用と産業脱炭素化を後押し
・発電、小売、熱供給を統合する事業モデルにより、EUのエネルギーシステム統合に資する事例。
Link:
・https://www.mitsubishicorp.com/jp/en/about/project/hkn/
・https://www.mitsubishicorp.com/jp/en/sustainability/materiality/decarbonization/
・https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/about/project/hkn/
・https://www.mitsubishicorp.com/jp/en/sustainability/environmental/climate-change/004.html
スペイン・ポルトガル・アイルランド|双日(電力小売・再エネ管理プラットフォーム)
・投資先国:スペイン、ポルトガル、アイルランド
・分野:電力小売・卸売、再生可能エネルギー管理、スマートエネルギーサービス
・概要:双日は、スペインのNexus Energíaへの出資を通じて、欧州の電力小売・再生可能エネルギー管理事業に参画しています。2021年に同社の筆頭株主となり、2025年までに完全な経営権を取得しました。また、Nexusを通じてアイルランドのPinergyの株式取得にも合意し、欧州における電力小売事業の展開地域を拡大しています。
投資の内容
・2021年にスペインのNexus Energíaの筆頭株主となり、2025年までに経営権を取得
・Nexus Energíaは、スペイン・ポルトガルで電力・ガス小売および再生可能エネルギーのアグリゲーション事業を展開
・約17,000か所の分散型再生可能エネルギー発電設備を管理
・AIを活用した再エネ資産のデジタル管理システムを導入
・2025年、Nexusと共同でアイルランドのPinergyの約98%の株式取得に合意
ビジネス上のポイント
・欧州における電力小売・再エネ管理プラットフォームの構築
・分散型再生可能エネルギーを束ねるアグリゲーションモデルを展開
・AIを活用した需給管理・最適化により、再エネの効率的な活用を支援
・スペインからアイルランドへ、欧州電力小売市場での展開を拡大
EU政策との高い整合性
・EU Electricity Market Reform、European Green Deal、REPowerEUの方向性と整合
・分散型再生可能エネルギーの統合を通じ、EUの再エネ導入拡大に貢献
・AI・デジタル技術を活用したエネルギー管理により、電力システムの柔軟性向上を支援
・顧客向けの再エネ電力サービスを通じ、需要側からの脱炭素化を後押しする事例。
関連リンク:
・https://www.sojitz.com/news/news_file/file/210913r.pdf
・https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000278.000073843.html
ポーランド|ダイキン(ヒートポンプ製造/空調)
・投資先国:ポーランド(ウッチ近郊・Ksawerów)
・分野:空調(HVAC)、ヒートポンプ、脱炭素技術
・概要:ダイキンは2022年、ポーランドにおいて約3億ユーロを投じ、住宅用ヒートポンプ工場の新設を発表。本プロジェクトは同国でも最大級の対内直接投資の一つであり、EUの脱炭素政策(グリーンディール、REPowerEU)に対応した低炭素暖房への転換を支えるものです。
主な取り組み:
ヒートポンプ製造拠点の新設(約3億ユーロ)
2025年の生産開始に向けた工場建設
欧州市場向け製品(Althermaシリーズ)の生産
ビジネス上のポイント
・化石燃料ボイラーからヒートポンプへの転換に伴う需要拡大への対応
・欧州域内での生産による物流効率化およびサプライチェーン強靭化
・ポーランドを拠点としたEU域内への広域供給体制の構築
・製造からサービス人材育成までを含むバリューチェーンの強化
投資の背景・戦略的意義
・EUの気候中立目標およびREPowerEUにおける暖房分野の脱炭素化への対応
・ヒートポンプ市場の急成長を見据えた戦略的製造拠点の確立
・欧州域内での「地産地消」モデルによる競争力強化
雇用・地域経済への貢献
・2025年までに約1,000人、2030年までに約3,000人の雇用創出見込み
・製造およびサービス分野における人材育成(トレーニング拠点の整備)
・地域産業基盤の強化および技能高度化への貢献
関連リンク:
・Daikin Europe invests €300 million in new Polish heat pump heating factory | Daikin
・About Daikin Manufacturing Poland
・Daikin Global | Press Releases | Daikin Started Construction of New Heat Pump Factory in Poland
・https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF074NK0X00C23A4000000/
・https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/07/fbd18558e1f298ae.html
クリーンテック(Clean Tech)

ドイツ|中部電力(次世代地熱・EUイノベーション基金活用プロジェクト)
・投資先国:ドイツ(バイエルン州ゲレツリート)
・分野:次世代地熱、クリーンテック、再生可能エネルギー、EU資金活用
・概要:中部電力が参画するドイツ・ゲレツリートの次世代地熱プロジェクトは、EUイノベーション基金から約9,160万ユーロの助成を受ける、革新的低炭素技術の商業化支援事例です。カナダのEavor Technologiesが開発したクローズドループ型地熱技術「Eavor-Loop™」を活用し、商業規模での地熱発電・熱供給を目指しています。中部電力は主要株主として参画しており、日本企業がEUの公的支援スキームを活用しながら欧州の脱炭素プロジェクトに関与するモデルケースといえます。
プロジェクトの内容
・実施地:ドイツ・バイエルン州ゲレツリート
・関与企業:中部電力、Eavor Technologies、OMV、bp
・活用技術:クローズドループ型地熱技術「Eavor-Loop™」
・EU支援:EUイノベーション基金から約9,160万ユーロの助成
・想定規模:フル稼働時に電力約8.2MW、熱出力約64MWを供給予定
EUイノベーション基金との関係
・本プロジェクトは、革新的な低炭素技術の商業化を支援するEUイノベーション基金に採択された事例
・同基金の支援により、初期商業化段階にある次世代地熱技術の投資リスクを低減
・中部電力は、プロジェクト会社への出資を通じて、EU公的資金を活用した欧州グリーン投資に参画
・EUの助成金に加え、EIB、JBIC、NEXI等の公的金融も組み合わせた日欧連携型の資金調達モデル
ビジネス上のポイント
・地下熱水に依存しないクローズドループ型地熱技術の商業化事例
・天候に左右されないベースロード電源としての活用可能性
・欧州での実証・運用経験を通じた次世代再エネ技術の知見獲得
・日本企業によるEU域内クリーンテック投資と資金支援活用の先行事例
関連リンク:
・https://ec.europa.eu/assets/cinea/project_fiches/innovation_fund/101085560.pdf
・https://www.chuden.co.jp/english/globalbusiness/strategy/project_europe/eavor_germany/
・https://www.chuden.co.jp/english/globalbusiness/strategy/project_europe/eavor_germany/
オーストリア|三菱重工グループ/Primetals Technologies(Hy4Smelt実証プラント)
・投資先国:オーストリア
・分野:水素ベース製鉄、産業脱炭素化技術
・概要:MHIグループのPrimetals Technologiesは、voestalpine、Rio Tinto、三菱商事とともに、オーストリア・リンツのvoestalpine拠点でHy4Smelt実証プラントを進めています。HYFORおよびSmelter技術を活用し、水素ベースの直接還元と電気溶融を組み合わせた次世代製鉄プロセスの実証を行うものです。建設は2025年に開始され、2027年末の稼働開始が予定されています。
プロジェクトの内容
・実施地:オーストリア・リンツのvoestalpine拠点
・連携先:voestalpine、Rio Tinto、三菱商事
・関与企業:MHIグループのPrimetals Technologies
・活用技術:Primetals TechnologiesのHYFORおよびSmelter技術
・稼働予定:2027年末
ビジネス上のポイント
・鉄鋼業の脱炭素化に向けた次世代製鉄技術の実証
・水素ベースの直接還元と再生可能エネルギーを活用した溶融プロセスを組み合わせるモデル
・既存の鉄鋼産業拠点を活用した実装型プロジェクト
・将来的な商業化を見据えた、欧州における低炭素製鉄技術の開発事例
EU政策との高い整合性
・EUの産業脱炭素化およびクリーン水素活用の方向性と整合
・鉄鋼という脱炭素化が難しい産業分野における排出削減に貢献
・EU Research Fund for Coal and Steel、Clean Hydrogen PartnershipなどのEU支援枠組みとも関連
・Net-Zero Industry ActやEU Hydrogen Strategyの文脈で重要な、次世代産業技術の実証事例
関連リンク:
・https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/10/b157330d97046019.html
・https://www.kyushu.meti.go.jp/press/2402/240213_1_2.pdf
・https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000200.000025611.html
・https://www.mhi.com/news/24091802.html
イタリア|三菱重工業(Ravenna CCSプロジェクト)
・投資先国:イタリア
・分野:CCS、CO₂回収技術、産業脱炭素化
・概要:三菱重工業は、イタリア・ラヴェンナ近郊のCasalborsetti天然ガス処理プラントにおいて、Ravenna CCSプロジェクトにCO₂回収技術を提供しています。本プロジェクトはEniとSnamが進めるイタリア初のCCSプロジェクトであり、MHIのKM CDR Process™を活用して年間約25,000トンのCO₂を回収します。
プロジェクトの内容
・実施地:イタリア・ラヴェンナ近郊、Casalborsetti天然ガス処理プラント
・事業主体:Eni、Snam
・関与企業:三菱重工業
・活用技術:三菱重工業のKM CDR Process™
・回収規模:年間約25,000トンのCO₂
ビジネス上のポイント
・天然ガス処理プラントから排出される低濃度CO₂の回収
・回収したCO₂を沖合の枯渇ガス田に貯留
・既存エネルギーインフラを活用したCCS実装事例
・MHIのCO₂回収技術を欧州の脱炭素プロジェクトに展開
EU政策との高い整合性
・EUの産業脱炭素化およびCCS活用の方向性と整合
・排出削減が難しい産業・エネルギー分野におけるCO₂削減に貢献
・既存インフラを活用した、実装性の高い脱炭素モデル
・EUのネットゼロ目標達成に向けたCO₂回収・貯留技術の導入事例
Links:
・https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/10/b157330d97046019.html
・https://www.kyushu.meti.go.jp/press/2402/240213_1_2.pdf
・https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000200.000025611.html
・https://www.mhi.com/news/24091802.html
クリーンモビリティ・EV(Clean Mobility, EV)

フランス・EU域内|Toyota Motor Europe(水素モビリティ・燃料電池)
・投資先国:フランス、ベルギー、スペイン、ポルトガル等
・分野:自動車、クリーンモビリティ、水素技術(FCEV・燃料電池システム)
・概要:Toyota Motor Europeは、フランスを中心に水素モビリティの展開を進めています。特にパリ地域では、HypeおよびHysetCoプロジェクトを通じて、水素タクシーと水素充填インフラを組み合わせたモビリティエコシステムの構築に参画しています。また、フランス、ベルギー、スペイン、ポルトガルなど複数地域において、水素ステーションおよび関連インフラの拡大が進められています。
主なプロジェクト
・パリ地域におけるHysetCoプロジェクト
・世界最大級の水素タクシーフリートの展開
・Hype主導による、水素ステーションと車両運用を統合したモビリティモデル
・約7年間にわたり、パリ都市圏で実証・展開を継続
・フランス、ベルギー、スペイン、ポルトガル等における水素モビリティプラットフォーム拡大
・計画中:18か所の水素充填ステーション、3基の電解装置
ビジネス上のポイント
・車両、インフラ、需要創出を組み合わせたエコシステム型アプローチ
・都市型ゼロエミッションモビリティの実装事例
・水素供給インフラとモビリティサービスを一体的に展開
・複数都市・複数国への展開を通じたEU域内スケールモデルの構築
EU政策との高い整合性
・EU Hydrogen Strategy、Alternative Fuels Infrastructure Regulation(AFIR)、REPowerEUの方向性と整合
・水素モビリティおよびゼロエミッション輸送の普及拡大に貢献
・Connecting Europe Facility(CEF)やFrance 2030など、EU・加盟国レベルの支援枠組みとも連動
・車両導入とインフラ整備を組み合わせた形で、EUのクリーンモビリティ政策を実装する先進事例
関連リンク:
・https://global.toyota/pages/fact-data/fact-data_001_08_jp.pdf
・https://esgjournaljapan.com/world-news/38030
チェコ|トヨタ自動車(BEV生産・電池組立)
・投資先国:チェコ
・分野:乗用車製造、BEV生産、電池組立
・概要:トヨタ自動車は、チェコ・コリーンのToyota Motor Manufacturing Czech Republicにおいて、欧州初となる自社工場でのBEV生産に向けた投資を発表しました。既存の車両生産ラインを更新するとともに、同一拠点内に新たな電池組立施設を設け、欧州におけるBEV生産体制の現地化を進めます。
投資の内容
・投資額:約6億8,000万ユーロ
・チェコ・コリーン工場に欧州初のBEV生産ラインを導入
・同一拠点内に新たな電池組立施設を整備
・塗装・溶接など既存生産ラインをアップグレード
・2028年頃のBEV生産開始を予定
・年間約10万台規模の生産を想定
・チェコ政府から最大約6,400万ユーロの支援を受ける見込み
ビジネス上のポイント
・欧州におけるBEV生産能力の現地化
・車両生産と電池組立を同一拠点で行う一体型生産モデル
・ハイブリッド中心の欧州生産体制から、BEV生産への移行を進める戦略的投資
・中東欧を含む欧州市場向け供給体制の強化
・約245人の新規雇用創出を予定
関連投資:物流メガハブ
・2024年、チェコにおける物流メガハブへの投資を実施
・投資額:約1,700万ユーロ
・年間約35万台の車両取扱能力を有する欧州有数の自動車物流拠点
・中欧地域への配送効率を向上
・鉄道輸送の活用により、物流面でのCO₂削減にも寄与
EU政策との高い整合性
・Fit for 55、EU Green Deal、2035年の新車ゼロエミッション目標の方向性と整合
・欧州域内でのBEV生産と電池組立を通じ、EVサプライチェーンの現地化に貢献
・内燃機関車からゼロエミッション車への移行を支える生産基盤を構築
・物流メガハブを通じ、効率的かつ低炭素な域内供給体制の構築にも寄与。
関連リンク:
・https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/11/a53d0494fe344ca4.html
・https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD298AH0Z20C25A7000000/
・https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/09/96c850e1bbce72df.html
半導体・先端材料(Semiconductor and Advanced Materials)

ドイツ|JX金属(半導体材料・戦略金属)
・投資先国:ドイツ
・分野:先端材料、半導体材料、タンタル・ニオブ等の戦略金属
・概要:JX金属は、ドイツのTANIOBISを通じて、次世代半導体向けの高純度CVD・ALDプリカーサー材料の開発・生産を進めています。2024年にはゴスラー拠点で新たな生産・開発機能を開始し、既存のラウフェンブルク拠点とあわせて、欧州における先端材料供給基盤を強化しています。
投資の内容
・ドイツのTANIOBISを通じ、半導体向け高純度CVD・ALDプリカーサー材料を開発・生産
・2024年、ゴスラー拠点で次世代半導体材料の開発・生産機能を開始
・ラウフェンブルク拠点では各種金属化合物の開発・生産を継続
・JX Metals Deutschland GmbHを通じ、タンタル・ニオブ関連事業の欧州基盤を強化
・2018年、H.C. Starck Tantalum and Niobium GmbHの取得を通じ、電子材料・半導体用途の戦略金属分野でドイツに産業基盤を確立
ビジネス上のポイント
・AI、ロジック半導体、3D NAND、HBMなどの成長に伴う先端半導体材料需要に対応
・高純度材料・特殊金属化合物という上流素材分野で欧州の半導体サプライチェーンを支援
・タンタル・ニオブなど、電子部品・半導体用途に重要な金属材料の供給基盤を欧州内に確保
・日本企業の素材技術を活かし、欧州の先端産業向けに安定供給体制を構築
EU政策との高い整合性
・EU Chips Act、Critical Raw Materials Act、EU Battery Regulation、循環経済・戦略的自律性の方向性と整合
・先端半導体製造に不可欠な高純度材料の供給を通じ、EUの半導体サプライチェーン強化に貢献
・タンタル・ニオブ等の戦略金属分野で、欧州域内の供給基盤強化に寄与
・素材・金属化合物の上流供給を担うことで、EUの産業競争力と経済安全保障の強化を支える事例。
関連リンク:
・https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR280750Y3A320C2000000/
・https://www.jx-nmm.com/newsrelease/2024/20241113_01.html
・https://www.taniobis.com/ja/locations/taniobis-gmbh/
・https://www.jbic.go.jp/ja/information/press/press-2018/0417-010923.html
・https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220608-OYT1T50167/
ベルギー|富士フイルム(半導体材料)
・投資先国:ベルギー
・分野:半導体材料、CMPスラリー、フォトリソグラフィ関連材料
・概要:富士フイルムは、ベルギー・アントワープ近郊のズウェインドレヒトにおいて、半導体材料の生産能力を拡大しています。約2,500万ユーロを投じ、新たにCMPスラリーの生産設備を導入するとともに、既存のフォトリソグラフィ関連材料の生産ラインも拡張します。
投資の内容
・投資額:約2,500万ユーロ
・ベルギー・ズウェインドレヒト拠点に新たなCMPスラリー生産設備を導入
・現像液などフォトリソグラフィ関連材料の既存生産ラインを拡張
・新設備は2026年春の稼働開始を予定
・CMPスラリーの生産拠点として、ベルギーを新たにグローバル供給網に追加
・米国、台湾、韓国、日本、ベルギーを含む主要生産ネットワークを強化
ビジネス上のポイント
・欧州における半導体材料の現地供給体制を強化
・CMPスラリー、フォトレジスト、ポストCMPクリーナー、高純度プロセスケミカルなど、半導体製造工程を幅広く支える材料群を展開
・自動車半導体、産業DX、AI、5G・6G、データインフラ向け需要に対応
・半導体メーカーへの安定供給力を高め、サプライチェーンの強靱化に貢献
EU政策との高い整合性
・EU Chips ActおよびEuropean Green Dealの産業競争力強化の方向性と整合
・半導体製造に不可欠な材料供給を通じ、EUの半導体サプライチェーン強化に貢献
・欧州域内での材料生産能力を高め、外部供給への依存低減に寄与
・先端半導体、自動車、産業デジタル化を支える基盤材料の供給事例として位置づけ可能。
関連リンク:
・https://www.fujifilm.com/at/en/news/hq/12078
・https://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/12078
・https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC051S90V00C25A2000000/
・https://invest.flandersinvestmentandtrade.com/en/Fujifilm-investment-flanders
アグリフード・バイオ(Agri-food & Bioeconomy)

ポルトガル|カゴメ(食品加工・R&D・スマート農業)
・投資先国:ポルトガル
・分野:食品加工、研究開発、アグリテック
・概要:
同社は2007年にポルトガルで製造拠点を設立。近年は、研究開発機能の強化やAIを活用したスマート農業の導入など、事業の高度化を進めています。2022年にはNECとの合弁により、農業分野におけるデジタル化(アグリDX)を推進しています。
投資の内容(近年の拡張)
・主な取り組み:
研究開発機能の拡張
AIを活用したスマート農業の導入(NECとの協業)
ビジネス上のポイント
・加工、研究開発、農業を横断したバリューチェーン全体での事業展開
・現地農家との連携を基盤としたエコシステム型の投資モデル
・デジタル技術の活用による生産性向上および持続可能性の強化
・原料調達から付加価値創出までを一体化したアグリフード供給体制の構築
雇用・地域経済への貢献
・雇用拡大に加え、農業分野における技術導入・高度化を通じた地域経済への波及効果
・持続可能な農業モデルの構築を通じた中長期的な価値創出
関連リンク:
・HIT - A declaration of love to nature’s flavours
・https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/13079/
・https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ29HL0_U6A300C1TI5000/
ベンチャー投資・イノベーション(Venture Capital & Innovation Ecosystem)

エストニア|NordicNinja(日本・欧州VCファンド/ディープテック・脱炭素)
・投資先地域:北欧・バルト地域(エストニアをハブ)
・分野:ディープテック、デジタル、脱炭素
・概要:NordicNinjaは、日本と欧州をつなぐベンチャーキャピタルファンドであり、JBICや日本企業が出資者として参画。エストニアおよび日本のパートナーにより運営され、ディープテックや脱炭素分野を中心に、主にSeries A段階のスタートアップへ投資を行っています。
投資の内容
・主な取り組み:
NordicNinja Fund I(約1億ユーロ)およびFund II(約1.5億ユーロ)を通じた投資
ディープテック、デジタル、脱炭素分野におけるスタートアップ支援
日本企業・投資家によるLP出資および継続的な関与
ビジネス上のポイント
・日本の資本と欧州のスタートアップを結びつける投資プラットフォーム
・ディープテック・脱炭素といったEUの重点分野への資金供給
・複数のEU加盟国にまたがる投資を通じた単一市場としての事業展開
・エストニアを拠点としたイノベーション・エコシステムへのアクセス
投資の背景・戦略的意義
・日本企業によるEUスタートアップへの間接的な参入手段として機能
・現地の技術力・起業環境と日本の産業知見・ネットワークを組み合わせた協業モデル
・従来の直接投資に加え、VCを通じた新たなEU関与の形を提示
雇用・地域経済への貢献
・ディープテック分野における高度人材・エンジニアの育成および雇用創出
・スタートアップのスケールアップ支援を通じたEU域内のイノベーション強化
・複数加盟国にまたがる投資を通じたEU全体のエコシステムへの波及効果
関連リンク:
・https://igpi-group.com/talk/talks_08/
・https://nordicninja.com/dealroom-report-33b-of-japanese-linked-funding-into-europe-jp/
・https://www.jbic.go.jp/ja/information/press/press-2024/press_00080.html
デジタル・AI・クラウド(Digital, AI & Cloud)

イタリア|NTTデータ(デジタル・クラウド・AIインフラ)
・投資先国:イタリア
・分野:ITサービス、デジタルトランスフォーメーション、クラウド、AI
・概要:NTTデータは2011年にイタリア市場へ参入し、大規模なITサービス基盤を構築。近年はデータセンターを中心としたデジタルインフラ投資を拡大し、クラウドおよび生成AI分野における事業展開を強化しています。
投資の内容(近年の拡張)
・主な取り組み:
ミラノ近郊における大規模データセンター開発(約128MW規模)
クラウド・生成AI需要を見据えたインフラ投資(2020年代)
南イタリア(コセンツァ等)におけるデリバリー拠点の拡大
ビジネス上のポイント
・データセンターを核としたクラウド・AIインフラの構築
・生成AI需要の拡大を背景としたデジタルサービスの高度化
・南欧およびEU域内市場を対象としたサービス提供拠点としての位置づけ
・既存のITサービス基盤と新規インフラ投資を組み合わせたバリューチェーンの拡張
投資の背景・戦略的意義
・EUのデジタル化・クラウド・AI分野における政策優先領域への対応
・長期的な事業基盤に加え、新たな成長フェーズとしてのインフラ投資
・イタリアを拠点とした南欧およびEU市場向けハブ機能の強化
雇用・地域経済への貢献
・6,000人規模の高度人材雇用を基盤とした長期的な雇用創出
・南イタリアにおける拠点展開を通じた地域経済の活性化および人材育成
・デジタルインフラ整備による地域の技術基盤および競争力の向上
関連リンク:
・https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1317M0T11C25A0000000/
・https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/08/412a094ee48dc170.html
・https://itbusinesstoday.com/ja/tech/ntt-data-grows-global-data-centers-with-new-land-deals/
これらの事例は、日本企業が欧州を単なる「輸出先」としてではなく、研究開発、製造、投資、そして事業拡大を支える戦略拠点として活用していることを示しています。EU単一市場のスケールと制度環境を活かしながら、成長戦略を実装する舞台として、欧州は今、確かな選択肢となっています。
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