欧州投資ハブ(Invest in EU Hub)とは?
© European Union, 2023 – Source: EC Audiovisual Service – Photo: Lukasz Kobus
欧州投資ハブは、日本企業・投資家の皆さまがEU域内での事業展開や投資を検討する際に、最初にアクセスすべき「ゲートウェイ」となる新しいサービスです。EUの主要機関および27か国の加盟国が提供する投資インセンティブ、支援制度、共同出資プログラム、関連規制を一元的に整理し、複雑になりがちなEU単一市場への投資判断を、分かりやすく、実務に使える形でサポートします。
サービスの特徴
・EUの投資環境をワンストップで整理
投資判断に不可欠な制度・規制、戦略分野(グリーン、デジタル、製造業、イノベーションなど)における最新政策を解説
・EUレベルの支援プログラムを紹介
欧州委員会(European Commission)などが支援するインセンティブや共同出資スキームを日本語で分かりやすく紹介
・日本企業向けに特化した分析・イベント
専門家による政策解説ウェビナー、投資機会の紹介セミナーを開催し、日本企業が気になるポイントを重点的に解説
私たちが目指すこと
EUは、巨大な単一市場(27か国・4.5億人)、高度な技術基盤、強固な法制度、そして気候・デジタル分野への史上最大規模の投資を進めています。欧州投資ハブは、こうした欧州の成長機会に日本企業がよりアクセスしやすくなるよう、
・「どの制度が使えるのか?」
・「EUレベルの支援をどう活用すれば良いのか?」
といった疑問をすぐに解消できるよう、EUの最新政策と投資支援策を使える情報としてお届けします。
◆最新ニュース
欧州委員会 「産業加速法(Industrial Accelerator Act: IAA)」を発表
2026年3月4日、欧州委員会は「産業加速法(Industrial Accelerator Act:IAA)」案を発表しました。本法案は、低炭素技術や欧州製製品の市場を拡大し、クリーン産業への移行を加速させることで、EUの産業競争力、サプライチェーンの強靭性、そして経済安全保障を強化することを目的としています。対象分野は主に製造業であり、エネルギー多消費産業、自動車バリューチェーン、ネットゼロ技術などが含まれています。
IAAでは、公共調達や補助金を伴うプロジェクトにおいて、鉄鋼、セメント、アルミニウム、自動車、バッテリー、太陽光、風力、ヒートポンプ、電解装置などの分野で「Made in EU」または低炭素要件を導入することが提案されています。これにより、EU域内におけるクリーン技術投資やグリーンスチールなど低炭素製品への需要を創出し、欧州の製造基盤を強化することが狙いとされています。また、投資を促進するため、許認可手続きの迅速化やデジタル化されたワンストップ型許認可制度の導入、さらに産業クラスターの形成を促す「Industrial Acceleration Areas」の設置も提案されています。
一方で、EUは市場の開放性を維持する姿勢も強調しています。EUと自由貿易協定(FTA)または関税同盟を締結している国、あるいは政府調達協定(GPA)の締約国からの製品については、公共調達などにおいてEU原産と同等に扱われる可能性があります。日本は日EU経済連携協定(EPA)およびGPAの締約国であるため、日本企業の製品や技術も一定の条件の下でEU企業と同様に扱われる余地があります。
また、日本はバッテリー、自動車部品、先端材料、精密機械などの分野で世界的な製造能力を有しており、IAAが重点を置くネットゼロ技術やクリーン製造分野において、日本企業にとって新たな投資機会となる可能性があります。特に、EU域内での製造拠点の設置や技術協力を通じて、公共調達や支援制度の対象となる可能性があり、日本企業の対EU投資を後押しする制度的枠組みとなり得ます。
さらに、IAAの提案では、特定の戦略的製造分野における大型外国直接投資(FDI)に対する審査枠組みも示されていますが、EUと自由貿易協定を締結している国からの投資は原則として対象外とされています。そのため、日EU経済連携協定の下では、日本企業による大規模投資が追加的な規制の対象とならない可能性が高いと考えられます。
なお、IAAは現時点では欧州委員会による規則案(proposed regulation)であり、今後、欧州議会およびEU理事会での審議と合意を経て採択される必要があります。採択された場合、EU規則として加盟国に直接適用されます。
参考資料
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Industrial Accelerator Act – 規則案、附属書案、影響評価報告書など関連する法的文書
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プレスリリース – 「欧州委員会、欧州産業の強化と雇用創出に向けた産業アクセラレーター法を提案」(IP 26/515、2026年3月4日)
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Q&A – 「産業アクセラレーター法に関する質問と回答」(Q&A 26/516、2026年3月4日)
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ファクトシート – 「産業アクセラレーター法:EU産業の成長と将来の雇用の確保」
EU投資フォーラム: Why should I invest in the European Union? (2026年3月10日)を開催致しました

2026年3月10日、駐日欧州連合代表部(東京)にて 「EU投資フォーラム: Why should I invest in the European Union? 」 を開催いたしました。
ご参加いただきました皆様に、心より御礼申し上げます。
本フォーラムでは、日本企業の皆様に向けてEUの最新の産業政策や投資環境を紹介するとともに、EUへの投資・ビジネス機会について理解を深めていただく機会を提供しました。
フォーラムの主な内容
・EUの執行機関である欧州委員会(European Commission)による、EUの最新産業政策および投資環境の解説
・欧州委員会および国際協力銀行による投資支援・ファイナンス制度の紹介
・EUで事業を成功させている日本企業(丸紅株式会社・三菱マテリアル株式会社)による実例共有
・EU加盟国の投資促進機関および大使館とのネットワーキング・セッション
本フォーラムの詳しい内容につきましては、特設ページをご覧ください。
フォーラム当日に上映した、EUの投資環境を紹介するビデオの90秒版および30秒版もぜひご覧いただき、EUでの投資機会について知っていただければ幸いです。
日EU間の研究協力が新段階へ 「ホライズン・ヨーロッパ」への日本参加で実質合意
日本政府は2025年12月22日、EUの研究・イノベーション支援枠組みである「ホライズン・ヨーロッパ(Horizon Europe)」への日本の準参加について、欧州委員会との間で実質合意に至ったと発表しました。
本合意により、日本の企業および研究機関は、EUが提供する大規模な研究開発資金や国際共同研究プロジェクトへのアクセスが拡大し、欧州の研究機関・企業との連携を制度面・実務面の両面で円滑に進めることが可能となります。
ホライズン・ヨーロッパは、2021~2027年に約935億ユーロの予算が投入される、EUの中核的な研究・イノベーション資金プログラムです。気候変動対策や持続可能な成長、EUの産業競争力強化を目的としており、国際共同研究を重視した枠組みとなっています。
今回の準参加は、「ホライズン・ヨーロッパ」の第2の柱「グローバルな課題と産業競争力」を対象としており、デジタル、食料安全保障、再生可能エネルギーなどの分野が含まれます。移行措置により、日本の機関は2026年以降、EU予算による公募に応募可能となる見込みです。 準参加の実現により、日本の研究者や企業は、EUの研究資金を欧州の参加者と同様に直接活用できるようになり、これまで必要とされてきた国内資金の補完といった手続面の負担が軽減されます。その結果、EU主導の国際共同研究への参画機会が拡大すると期待されます。
また、先端材料、半導体、AI、量子技術、バイオテクノロジー、再生可能エネルギー、核融合など、日EU双方にとって戦略的に重要な研究分野において協力が進む基盤が整います。本準参加は、既存の日EU政策対話や協力枠組みを研究・イノベーション面から補完・強化するものです。
さらに、日本はプログラムの運営枠組みに参画することで、研究課題の方向性や制度設計に関与する機会を得ることになります。多国間で構成される研究コンソーシアムの下で実施されることから、国際的な発信力の高い研究成果の創出も期待されます。
なお、日本におけるホライズン・ヨーロッパ参加支援については、日欧産業協力センターがナショナル・コンタクト・ポイント(NCP Japan)として、日本語による情報提供や応募手続きに関する実務的な案内を行っています。
関連リンク:
ホライズン・ヨーロッパへの日本の準参加に関する協定交渉の実質合意|外務省
EU and Japan successfully conclude Horizon Europe negotiations
Global approach to research and innovation
EUと日本、「ホライズン・ヨーロッパ」準参加に関する交渉を成功裏に終了
International cooperation with Japan in research and innovation
ホライズンヨーロッパ情報提供窓口 | EU-Japan Centre
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