洋上風力タービン | 三菱重工×べスタス

デンマークの風力タービン製造のリーダーであるVestasWind Systemsと、世界的な製造・エンジニアリング会社である三菱重工業株式会社 (三菱重工)は、2014年に洋上風力発電業界のリーディングプレイヤーになることを目的とし合弁会社MHI Vestasを設立しました。 MHI Vestasは現在3000人以上を雇用、欧州各国で洋上風力タービンを運転する他、アジアでも初の受注を成し遂げました。 2020年後半、パートナーシップは風力発電とグリーン水素の分野で新たな発展を見せています。

パートナー

風力タービンの製造におけるデンマークのリーダー:Vestas Wind Systems

1898年創業のヴェスタスは1945年にデンマークで正式に設立されました。家電製品から事業を開始し、1960年代に農業機械とクレーンに移行しました。風力タービン事業には1979年に参入、1989年以降は風力タービン専門となっています。2003年、ヴェスタスは別のデンマークの会社と合併し、世界最大のタービンメーカーになりました。 現在ヴェスタスは25,000人の従業員により世界中の風力タービンを設計、製造、設置、管理しています。82カ国に122GW以上の風力タービンを設置、工場はヨーロッパ、アジア、アメリカに、そして全大陸に営業所があります。

ヴェスタスは、1999年にNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援を受けた岩手県の事業者、2003年に東京初の本格的風力発電所「東京臨海風力発電所(東京かざぐるま)」、2005年の北海道の市民資金による風力発電所、2010年に福島に46 MWの風力発電所など、先駆的な事業にタービンを納入しています。 また近年、国内のさらなる事業支援、日本企業との連携強化のため、ベスタス・ジャパン株式会社を設立しました。

世界最大級の産業グループ:三菱重工業株式会社

東京に本社を置く三菱重工(MHI)は、8万人の従業員を擁する世界有数の産業企業の1つです。 130年以上前に創設された三菱重工は、陸、海、空、宇宙へと事業展開し、商用航空、輸送、発電所、ガスタービン、機械、インフラストラクチャから統合された防衛および宇宙システムに至るまで、広範な業界にソリューションを提供しています。

再生可能エネルギー分野では、風力タービン、地熱発電所、水力タービン、太陽電池モジュール、ヒートポンプを製造しており、1982年に日本で最初の商用風力タービン機器を納入しました。また、燃料電池、バッテリー、分散型電力システムのソリューションも開発しています。

三菱重工業は11,000人の従業員、100以上のオフィスと工場、600以上の欧州のサプライヤーとの連携により、欧州全体で包括的な存在感を保っています。 欧州の再生可能エネルギーでは、2019年にオランダの会社Enecoを買収し、2GWの風力発電容量と300MWの太陽光発電を運営しています。

 

 

パートナーシップ:洋上風力発電業界をリードする合弁会社、MHI Vestas Offshore Wind A/S

合弁会社MHI Vestas Offshore Wind A/S社は2014年に設立され、デンマークに本社を置くVestasと三菱重工から380人の従業員が異動しました。
将来の世代に利益をもたらす経済的に実行可能で持続可能なエネルギー源としての洋上風力発電を共同開発することにより、洋上風力発電のリーダーとなることを目的としています。

MHI Vestasは、風力発電における両社の経験とスキルを組み合わせて、洋上タービン製造・運用・保守サービス、および洋上風力発電所の設置プロジェクトを管理しています。

MHI Vestasは設立後6年間で、2016年にデンマークで世界最強の風力タービン2基を設置、2018年に台湾の地元メーカーとの一連の覚書を署名、2018年に世界初の10MWの風力タービンを発売、2019年にボストンに米国本社を開設しました。

MHI Vestasには現在、欧州・アジア太平洋・米国に3000人以上の従業員がいます。 同社の洋上風力タービンは、ポルトガル、デンマーク、スウェーデン、英国、ベルギー、オランダで稼働しており、今後は、台湾、日本、ドイツ、フランス、スコットランドで、今後2〜4年以内に設置する新案件を受注しています。

2020年の終わりに、ヴェスタスと三菱重工業は、持続可能なエネルギー分野でのパートナーシップを拡大すべく新しい合意の署名を発表しました。
今回の合意により、ベスタスはMHIベスタス合弁会社の株式を取得、三菱重工もベスタスの株式を取得してベスタスの取締役会に加わる事となります。
この協定はにより、グリーン水素に関する日本とデンマークの企業間の連携と、日本における風力エネルギー(陸上・洋上)の新合弁会社の設立への道が開かれました。

 

洋上風力発電:日EUのパートナーシップの有望な基盤

日本とヨーロッパは、2050年のカーボンニュートラルへの道のりの一環として、2040年までに洋上風力エネルギーの意欲的な目標を設定しました。EUは約130ギガワットの設備容量(世界最大容量)を目指し、一方日本は12月の発表で、 2020年に45ギガワットで3番目に大きな洋上風力エネルギー生産者になるという目標を掲げました。

洋上風力開発の重要性に関するこの共通のビジョンは、日EUの企業間連携にさらなる機会をもたらします。 三菱重工とベスタスの連携の他にも、北九州の浮体式洋上風力発電「ひびき」はイデオル(フランス)が設計、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が北九州で資金提供しており、世界最大の洋上風力発電会社であるOrsted(デンマーク)が日本進出、2020年9月に日本の風力発電企業アカシア・リニューアブルズがスペインの電力会社イベルドローラに買収された例などがあります。

 

詳細情報

 

 
Pictures: Courtesy of Vestas Wind Systems A/S | Courtesy of MHI Vestas Offshore Wind |Courtesy of Mitsubishi Heavy Industries

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